鰐鮫頭骨収納箱と孝子権右衛門
松ヶ浜地区に伝わる鮫の頭骨と釣針、それらを収納する箱で、仁兵衛・権右衛門親子の昔話と関係がある資料です。ある日、父の仁兵衛がアワビ採りをしていたところ、サメに襲われそれが原因で亡くなります。それを悲しんだ息子の権右衛門は、父親の無念を晴らそうと仇討ちを決心します。しかし、なかなか鮫は捕まらず、犬の肉を釣針につけて待ち続けたところ、やっとのことで捕まえました。権右衛門は鮫の頭部を父の墓前へ捧げて仇討ちを成し遂げました。
箱は頭骨と釣針を保管する子孫のため、安永8(1779)年に7代藩主重村公が郡司に命じて作らせたものです。蓋の裏には儒学者の田邊希元・希績父子によって仁兵衛・権右衛門親子の話と箱を作ったいきさつが書かれています。松ヶ浜の鴻ヶ崎には明治時代に建てられた「孝子権右衛門」についての石碑があります。
- 【文化財名称】田邊希元 撰 田邊希績 書「鰐鮫頭骨収納箱」附鰐鮫頭骨及び釣針
- 【指定日】1998年(平成10年)8月1日