お菓子を食べても、歯磨きをすればむし歯にならない?!
夕食の歯磨き後に、お菓子を食べていたお子さんに、
「こらー!虫歯になるでしょ!もう一回歯磨きして!」
と叱ったことがある方、いませんか?
甘い物を食べても、食べた後に歯磨きをすればむし歯にならないのでしょうか?
答えはNOです。
意外と思い違いが多い「むし歯」について、今回はなぜむし歯ができるのか、むし歯を作らないようにするにはどうしたらよいか、お伝えします。
むし歯はなぜできる?
●むし歯は、お口の中のむし歯菌が、酸を出して歯を溶かすことで発生します。
→ということは?
→虫歯菌がお口の中にいなければ、むし歯はできません。保護者、養育者の虫歯菌をうつさないように、はし・スプーンなど食器類の共有は避けましょう。
●むし歯菌は、食べかすなどが歯と歯茎の間などの隙間にたまってできる「歯垢」の中で増殖します。
→ということは?
→虫歯菌が増殖しないよう、歯磨きでしっかりと汚れを取り除きましょう。奥歯は、もともと溝が深く、そこに汚れが溜まりやすいので、歯科医院でシーラント(溝を埋める処置)をすることがあります。
●むし歯菌は、糖分をエサにして活動します。
→ということは?
→糖分を含む食べ物、飲み物の摂取をなるべく控えましょう。
(絶対に食べてはいけないという意味ではありません。)
●お口の中が酸性になると、歯が溶ける=脱灰(だっかい)します
食べ物を摂取すると、むし歯菌が酸を作り出し、お口の中のpH(酸性度)は低くなり、酸性になります。
お口の中が酸性になると、歯の主要成分であるエナメル質が溶けてしまいます。(これを脱灰といいます)
食事で酸性になった口腔内が、もとのpHに戻るには、時間がかかります。
→ということは?
→ながら食いで食事に時間がかかりすぎたり、ちょこちょこ食事をして頻繁にお口の中が酸性に傾いていると、歯が溶けてしまいます。食事は時間を決めて摂り、間食は控えるようにしましょう。ジュースをちょこちょこ飲むことも同様に避けたほうが良いでしょう。
(食事を摂取してはいけないという意味ではありません。)
むし歯予防のために
〇歯のエナメル質から溶け出た成分を、歯に戻す作用を再石灰化と言います。
→ということは?
→フッ素には、再石灰化を促進する効果があります。フッ素入りの歯磨き剤や、洗口液、歯に塗布して使用するジェルなどを使用するとよいでしょう。
まとめ
むし歯予防のポイント
- むし歯菌をうつさない
- 歯ブラシで歯垢をとりのぞく
- 糖分の摂取を控える
- ながら食いをしない
- ちょこちょこ食いをしない
- フッ素を使用する
むし歯ができるしくみを知って、むし歯予防に取り組みましょう!