スキンケアとアレルギー

　

「アレルギー」と聞くと、真っ先に卵や小麦のアレルギー、つまり「食物アレルギー」を思い浮かべると思います。

　実は、乳児の食物アレルギーに、皮膚の状態が大きく関係していると知っていましたか？

　「食物アレルギーが怖いから、離乳食は可能な限り遅くしたい。」「食物アレルギーが気になるから、母乳を与えているわたし（母）も卵を食べていません。」こういった考えを持つ方が、少し前までは多く見られていました。しかし、最近では、こういった考え方には食物アレルギーを予防する効果がないことが分かりました。食物アレルギーには、離乳食の遅延や除去食ではなく、「皮膚の状態」が密接にかかわっていることが分かったのです。

　

　乳児の皮膚は、とても薄く、機能的にも未熟なのですぐに乾燥しやすく、湿疹もできやすい状態です。正常な皮膚は、様々な刺激から、体の内部を守り、アレルゲンの侵入を防いでいます。しかし、かさかさと乾燥して皮膚がめくれたり、湿疹ができて赤くなり、ジュクジュクした汁が出ているような状態のときは、皮膚のバリア機能が壊れてしまっています。床やじゅうたんなど生活環境中に紛れているアレルゲンが、バリアが壊れた皮膚から侵入して、食物アレルギーを引き起こすのです。アレルゲンは、いくらきれいに掃除をしていても、細かな粒子となって環境に紛れ込みます。海外の研究によると、アレルゲンは、子ども部屋のベビーベッドからも検出されたのだそうです。

　

　食物アレルギーを予防するために、あかちゃんのスキンケアをしっかり行いましょう。石鹸を使って汚れを落としたら、保湿を丁寧に行いましょう。保湿は「乾燥しているな」と感じたら一日何度でも行ってください。もし、日々のスキンケアで改善しない皮膚の赤みや湿疹があるときには、早目に小児科や皮膚科を受診して、皮膚の状態をつるつるに保つようにしましょう。それが、食物アレルギーの予防にとても効果的です☆