子ども未来課通信育児のうわさ ウソ・ホント

スマホが脳に与える影響って?

 私たちの脳は、周囲の新しい情報を手に入れることで、快楽物質であるドーパミンを放出します。スマホを見ていると、ワンクリックで新しい情報を常に運んでくるため、クリックひとつでドーパミンが放出されます。さらに、ドーパミンは「新しい情報が得られるかもしれない」という不確かな状況の方が多く分泌されます。LINEやメールの着信音が鳴ると、「大事な連絡かもしれない」と手に取りたくなるのはそのためです。

 Apple社創始者のスティーブ・ジョブズが息子のスマホ依存を恐れて、電子機器を14歳まで与えなかったというエピソードがあります。スティーブ・ジョブズは、Apple製品を開発しながら、その依存性の高さに気が付いていたそうです。

 

 絶えずドーパミン放出を得られるスマホを、コントロールしながら使うことは大変難しいものです。それが子どもであればなおさらです。レストランで、電車で、子どもが騒いでしまい、仕方なくスマホで動画を見せた経験のある方はきっとたくさんいるのではないでしょうか。これを繰り返していくと、子どもたちは、その魅力にすっかり引き込まれ、スマホを渡して動画を見せるように要求するようになります。泣いてスマホを勝ち取った子どもは、次も泣いてスマホを要求するようになります。そうこうしているうちに、「スマホがないと寝かしつけができない」「スマホを見ながらでないと食事しない」こういった事態が発生します。

 

 こうなってしまってから、「天気がいいから外に遊びに行こう!」「家でかるたをしよう!」と親が誘っても、映像が動き、音が出て、光の刺激もあるスマホには勝てなくなってしまいます。ぐずりや要求に根負けして、結局はスマホを渡してしまう...こんな悪循環になってしまうのです。

 スマホは便利で、親も手放せなくなっています。しかし、いま、スマホの弊害と向き合い、早急に対処することで、スマホ以外のたのしみや、自分の気持ちを自分で立て直すことを七ヶ浜町の子どもたちにはぜひ学んでほしいと思っています。

・ スマホの時間 わたしは何を失うか

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【参考】新潮新書 スマホ脳 アンデシュ・ハンセン著 久山葉子訳

【引用】日本医師会・日本小児科医会 スマホの時間わたしは何を失うか

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